答て曰く。快く斯の義を問へり。即ち是六道生死の因行を閉絶して、永く常樂淨土の要門を開く。直彌陀の願に稱ふのみに非ず、又乃ち諸佛普く皆同じく慶びたまふ。今經に依て具に答ふれば、即ち『般舟三昧經』(一卷本意)に説くが如し。「佛跋陀和菩薩に告げたまはく。是の念佛三昧の中に於て、四事の供養有り、飮食・衣服・臥具・湯藥なり。其を助けて歡喜せしめよ。過去の諸佛も是の念阿彌陀佛三昧を持ちて、四事もて助けて歡喜せしめて皆成佛することを得たまへり。現在十方の諸佛も亦是の念佛三昧を持ちて、四事もて助けて歡喜せしめて皆作佛することを得たまへり。未來の諸佛も亦是の念佛三昧を持ちて、四事もて助けて歡喜せしめて皆作佛することを得たまへり。佛跋陀和に告げたまはく。是の念阿彌陀佛三昧四事助歡喜は、我是の三昧の中に於て、其の少喩を説きて念佛の功德に比校せん。譬へば人の壽百歳ならん、亦生れてより即ち能く行走すること老に至るまで疾風於りも過ぎたらんが如し。人有りて能く其の道里を計るやいなや。跋陀和言さく。能く計る者無けん。佛言はく。我故に汝及び諸の菩薩等に語る。若し善男子・女人、是の人の行處に取りて、中に滿たせる珍寶を著け、以用て布施せんに、得る所の功德は、人有りてこの念阿彌陀佛三昧を聞きて、四事供養し助歡喜せしめん功德には如かず。上の布施の者に過ぐること千万億倍なり、亦比校に非ず。佛言はく。乃往久遠、不可計阿僧祇劫に、佛有ましき、號して私訶提と曰ひ、國をば跋陀和と名く。轉輪王有り、名けて斯笒と曰ふ。佛の所に往至す。佛王の意を知りて即ち爲に是の念佛三昧四事助歡喜を説く。王聞きて歡喜して、即ち種々の珍寶を持ち、以て佛の上に散ず。王自ら願じて言く。是の功德を持ちて、十方の人天をして皆安穩を得。佛言はく。其の王終りて後還自ら其の家に生れて、太子と作る。梵摩達と名けき。時に比丘有り、名けて珍寶と曰ふ。常に四部の弟子の爲に、是の念佛三昧を説く。時に王之を聞きて四事助歡喜せしむ、