下輩は下行下根の人なり 十惡・五逆等の貪瞋と 四重と偸僧と謗正法と 未だ曾て慙愧して前のを悔いず 終時に苦相雲の如くに集り 地獄の猛火罪人の前にあり 忽ち往生の善知識の 急に勸めて專ら彼の佛の名を稱せしむるに遇はん 化佛・菩薩聲を尋ねて到りたまふ 一念心を傾くれば寶蓮に入る 三華障重くして多劫にして開く 時に始めて菩提の因を發す
願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
彌陀佛國は能く感ずる所 西方極樂は思議し難し 般若を渇聞しては漿を思ふことを絶ち 無生を念食しては即ち飢を斷ず 一切の莊嚴皆法を説く 無心に領納して自然に知る 七覺の華池意に隨ひて入る 八背神を凝らして一枝に會す 無邊の菩薩同學爲り 性海の如來盡く是師なり 彌陀の心水身頂に沐す 觀音・勢至衣を與へて被す 歘爾として空に騰りて法界に遊び 須臾に授記して無爲と號す 此の如く逍遙す無極の處 吾今去かずば何れの時をか待たん
願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
我を哀愍し覆護して、法種をして增長せしめたまへ。此の世及び後生に、願はくは佛常に攝受したまへ。願はくは諸の衆生と共に、安樂國に往生せん。

南無して心を至し歸命して西方極樂世界の觀音・勢至・諸菩薩淸淨大海衆を禮したてまつる。  願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。