普く師僧・父母、及び善知識、法界の衆生をして三障を斷除して同じく阿彌陀佛國に往生することを得しめんが爲に、歸命し懺悔したてまつる。
上二品の懺悔發願等前に同じ。要が中の要を須ふれば初を取れ、略が中の略を須ふれば中を取れ、廣が中の廣を須ふれば下を取れ。其の廣といふは、實に心に生ぜんと願ずること有らん者に就て勸む。或は四衆に對し、或は十方の佛に對し、或は舍利・尊像・大衆に對し、或は一人に對す。若しは獨自等なり。又十方盡虚空の三寶、及び盡衆生界等に向かひて、具に向かひて發露懺悔すべし。懺悔に三品有り、上中下なり。上品の懺悔は、身の毛孔の中より血を流し、眼の中より血を出すをば、上品の懺悔と名く。中品の懺悔は、徧身に熱き汗毛孔より出で、眼の中より血の流るるは中品の懺悔と名く。下品の懺悔は、徧身徹りて熱く、眼の中より涙出づるをば下品の懺悔と名く。此等の三品、差別有りと雖も、即ち是久しく解脱分の善根を種ゑたる人なり。今生に法を敬ひ人を重くし身命を惜しまず、乃至小罪も若し懺すれば、即ち能く心に徹り髓に徹る、能く此の如く懺すれば、久近を問はず、所有重障頓に皆滅盡せしむることを致す。若し此の如くせざれば、縱使ひ日夜十二時、急に走むれども、衆て是益無し。作さざる者の若し。應に知るべし、流涙・流血等に能はずと雖も、但能く眞心徹到するは、即ち上と同じ。
敬ひて白す。十方の諸佛、十二部經、諸の大菩薩、一切の賢聖、及び一切の天龍八部、法界の衆生、現前の大衆等、我を證知したまへ。
某甲 發露懺悔す。無始より已來、乃至今身まで、一切の三寶・師僧・父母・六親眷屬・善知識・法界の衆生を殺害せること、數を知るべからず。一切の三寶・師僧・父母・六親眷屬・善知識・法界の衆生の物を偸盜せること、