一宿に障盡きて華開發す願往生 佛を見て即ち金臺より下らんと欲するに無量樂
 足未だ地に至らざるに華足を承け願往生 佛金光を放ちて來りて身を照らしたまふ無量樂
 直に彌陀佛の前に到りて立ち願往生 佛を讚ずること七日にして無生を得無量樂
 須臾に他方の佛に歴事して願往生 百千の三昧門を證得す無量樂
 少許の時の間に三劫を逕て願往生 即ち明門歡喜地に入る無量樂
 般舟三昧樂願往生 持戒・作善して推閑すること莫れ無量樂
 推閑すれば即ち輪廻の業を造る願往生 彌陀の淨土誰をか去か遣めん無量樂
 湯火身を燒けば急に自ら撥ふ願往生 他人推縁の事を待つもの莫し無量樂
 貪瞋の火宅は相燒の苦あり願往生 障重く心頑にして未だ痛を覺らず無量樂
 痛を覺れば即ち愚癡の業を斷じ願往生 悔心慚愧して安樂に生ぜん無量樂
 安樂は即ち是金剛地なり願往生 凡夫六道永く名だも無し無量樂
 般舟三昧樂願往生 極樂は淸閑にして實に是精なり無量樂
 上品下生の凡夫等願往生 深く因果を信じて非を生ずること莫れ無量樂
 三業の起行は憍慢多し願往生 單だ無上菩提の心を發せ無量樂