般舟三昧樂願往生 頓に生死を超えて娑婆を出でよ無量樂
 下品上生の凡夫等願往生 具に十惡を造りて餘の善無し無量樂
 無明を增長して但意を快くし願往生 他の修福を見て非毀を生ず無量樂
 此の如きの愚人覺悟し難きは願往生 良に知識の惡強縁に由る無量樂
 唯目の前に酒肉を貪ることを知りて願往生 地獄に盡く名を鈔せらるることを覺らず無量樂
 一び泥犂に入りて長苦を受くるとき願往生 始めて人中の善知識を憶ふ無量樂
 罪人臨終に重病を得て願往生 神識昏狂し心倒亂せり無量樂
 地獄芬芬として眼の前に現ずるとき願往生 白き汗流れ出でて手に空を把る無量樂
 此の如きの困苦誰か能く救はん願往生 會ず是知識彌陀の恩なり無量樂
 手に香爐を執りて敎へて懺悔せしめ願往生 敎へて合掌して彌陀を念ぜしむ無量樂
 一聲の稱佛衆苦を除き願往生 五百万劫の罪消除す無量樂
 化佛・菩薩聲を尋ねて到り願往生 我故らに華を持ちて汝を迎ふと來りいふ無量樂
 行者佛の光明を見て喜ぶ願往生 即ち七寶の蓮華の上に坐し無量樂
 佛に從ひて須臾に寶國に還り願往生 到りて即ち直に寶池の中に入る無量樂