往生極樂の因縁、只斯在り。方今、文德忝く衰弊の時に遇へども、衣食を取るの難を免る。帝皇の恩澤を仰いで、未だ詔勑を隔てず。 并日の食甑、重ねて塵を積まんと欲せんも、何ぞ飢饉の惑を避けんや。伏して乞ふ、大師照鑑を垂れよ。弟子憤念の至に勝へず、敬みて禮代の状を表す。不宣謹言。
   二月十一日
           大宋國弟子周文德申状
 謹上 天台楞嚴院源信大師禪室 法座前