悲泣雨涙、遥向佛禮。未擧頭頃、爾時世尊、在耆闍崛山、知韋提希 心之所念、即勅大目犍連 及以阿難、從空而來。佛從耆闍崛山沒 於王宮出。時韋提希、禮已擧頭、見世尊釋迦牟尼佛。身紫金色、坐百寶蓮華。目連侍左、阿難在右。釋梵護世 諸天在虚空中、普雨天華、持用供養。時韋提希、見佛世尊、自絶瓔珞、擧身投地。號泣向佛 白言世尊、我宿何罪、生此惡子。世尊復有何等因縁、與提婆達多 共爲眷屬。
唯願世尊、爲我廣説 無憂惱處。我當往生。不樂閻浮提 濁惡世也。此濁惡處、地獄餓鬼畜生、盈滿多不善聚。願我未來

この語を作し已りて、悲泣雨涙して、はるかに仏に向かいて礼したてまつる。未だ頭を挙げざる頃に、その時に世尊、耆闍崛山にましまして、韋提希の心の所念を知ろしめして、すなわち大目犍連および阿難に勅して、空よりして来らしめたまう。仏、耆闍崛山より、王宮に没して出でたまう。時に韋提希、礼し已りて頭を挙げて、世尊釈迦牟尼仏を見たてまつる。身は紫金色にして、百宝の蓮華に坐したまえり。目連は左に侍り、阿難は右にあり。釈梵護世の諸天、虚空の中にありて普く天華を雨りて、もって供養したてまつる。時に韋提希、仏世尊を見たてまつりて、自ら瓔珞を絶ち、身を挙げて地に投ぐ。号泣して仏に向かいて白して言さく、「世尊、我、宿何の罪ありてか、この悪子を生ずる。世尊また何等の因縁ましましてか、提婆達多と共に眷属たる。
 6唯、願わくは世尊、我がために広く憂悩なき処を説きたまえ。我当に往生すべし。閻浮提・濁悪世をば楽わず。この濁悪処は地獄・餓鬼・畜生盈満して、不善の聚多し。願わくは我、未来に