種種の妙好の色・香・美味身に入れば皆不淨と為るが。安樂淨土は諸の往生する者の、不淨の色无し不淨の心无し、畢竟じて皆淸淨平等无爲法身を得ことは、安樂國土淸淨の性成就せるを以ての故なり。「正道大慈悲出世善根生」は、平等の大道なり、平等の道なればなり。名づけて正道と爲する所以は、平等はこれ諸法の躰相なり。諸法平等なるを以ての故に發心等し、發心等しきが故に道等し、道等しきが故に大慈悲等し。大慈悲は是佛道の正因なるが故に。正道大慈悲と言ふは、慈悲に三縁有り。一は衆生縁、是れ小悲なり。二は法縁、是れ中悲なり。三は无縁、是れ大悲なり。大悲は即出世の善なり。安樂淨土は此の大悲より生ぜるが故に。故に此の大悲を謂て淨土の根と爲せる故に「出世善根生」と曰ふ。
淨光明滿足 如鏡日月輪
此の二句は莊嚴形相功德成就と名く。佛本と此の莊嚴功德を起したまふ所以は、日の四域に行くを見そなはすに光三方に周ねからず、庭燎 力小反 宅に在るに明かなること十刃に滿たず。是を以ての故に淨光明を滿さむと願を起したまへり。日月光輪の自躰に滿足せるが如く、彼の安樂淨土復廣大にして邊无しと雖も、淸淨の光明充塞せざるは无けむ。故に「淨光明滿足如鏡日月輪」と曰へるなり。
備諸珍寶性 具足妙莊嚴
此の二句は莊嚴種種事功德成就と名く。佛本と何が故ぞ此の莊嚴を起したまへると。有る國土を見そなはすに、埿土を以て宮の餝と爲す、