閻浮提に於て大饒益を爲す。若し衣服・飮食・燈明・樂具、意の所欲に隨て種種の物を須ゐるべき時に、王便ち潔齋して、珠を長竿の頭に置きて、願を發して言はく。若し我實に是轉輪王ならば、願は寶珠、此の如きの物を雨て、若しは一里に遍し、若しは十里、若しは百里に、我が心願に隨へと。爾の時に即ち虚空の中に於て種種の物を雨て、皆所須に稱ふて天下の一切の人の願を滿足す。此の寶性の力を以ての故なり、彼の安樂佛土も亦是の如し、安樂の性種種に成就せるを以ての故に。「相似相對」は、彼の寶珠の力を、衣食を求るには、能く衣食等の物を雨て求者の意に稱ふ、是れ求めずには非ず。彼の佛土は則ち然らず、性滿足し成就せるが故に乏少する所无し。彼の性を片取して喩と爲す、故に相似相對と言たまへり。又彼の寶は、但能く衆生に衣食等の願を與ふ、衆生に无上道の願を與ふこと能はず。又彼の寶は但能く衆生に一身の願を與ふ、衆生に无量身の願を與ふこと能はず。是の如き等の无量の差別有るが故に相似と言へりと。
彼の佛國土の莊嚴功德成就を觀察すといふは十七種有り、知るべし。何等をか十七。一には莊嚴淸淨功德成就、二には莊嚴量功德成就、三には莊嚴性功德成就、四には莊嚴形相功德成就、五には莊嚴種種事功德成就、六には莊嚴妙色功德成就、七には莊嚴觸功德成就、八には莊嚴三種功德成就、九には莊嚴雨功德成就、十には莊嚴光明功德成就、十一には莊嚴妙聲功德成就、十二には莊嚴主功德成就、十三には莊嚴眷屬功德成就、十四には莊嚴受用功德成就、十五には莊嚴无諸難功德成就、