莊嚴虚空功德成就とは、偈に无量寶交絡羅網遍虚空種種鈴發響宣吐妙法音と言へるが故にと。
此れ云何ぞ不思議なるや。『經』
(大經卷上)に言はく。「无量の寶網佛土に彌覆し、皆金縷・眞珠・百千の雜寶、奇妙珍異なるを以て莊嚴し挍餝して四面に周匝せり、垂るるに寶鈴を以てす、光色晃耀して盡く極て嚴麗なり。自然の德風徐く起て微動す、其の風調和にして寒からず暑からず、温涼柔軟にして遲からず疾からず、諸の羅網及び衆の寶樹を吹て无量の微妙の法音を演發す、万種の温雅の德香を流布す。其れ聞ぐこと有る者は、塵勞垢習自然に起らず、風其の身に觸るに皆快樂を得」となり。此の聲佛事を爲す、焉んぞ思議すべきや。
莊嚴雨功德成就とは、偈に雨華衣莊嚴无量香普薰と言へるが故にと。
此れ云何ぞ不思議なる、『經』
(大經卷上)に言はく。「風吹きて華を散て遍く佛土に滿つ、色の次第に隨がふて雜乱せず、柔軟光澤にして馨香芬烈せり。足その上を履む、蹈み下ること四寸足を擧げ已に隨て還復すること故の如し。花用ゐること已訖りぬれば地輙ち開裂して次を以て化沒す、淸淨にして遺り无し、其の時節に隨て風吹て花を散ずること是の如く六反す。又衆寶の蓮花世界に周遍せり、一一の寶華に百千億の葉あり、其の葉の光明无量種の色なり、靑き色に靑き光、白き色に白き光、玄・黄・朱・紫の光色も亦然なり、煒燁煥爛として日月よりも明曜なり。一一の花の中より三十六百千億の光を出す、一一の光の中より三十六百千億の佛を出す。身の色は紫金にして相好殊特なり、一一の諸佛又百千の光明を放て、普く十方の爲に微妙の法を説く。是の如き諸佛、