往生禮讚偈 一卷

沙門善導集記
[前序]
一切衆生を勸めて、西方極樂世界の阿彌陀佛國に生ぜんと願ぜしむる、六時禮讚の偈。

謹みて『大經』及び龍樹・天親、此の土の沙門等の所造の往生禮讚に依り、集めて一處に在き分ちて六時を作る。唯相續係心して往益を助成せんと欲す。亦願はくは未聞を曉悟せしめて、遠く遐代を沾さんのみ。何者ぞ。第一に謹みて『大經』に釋迦及び十方の諸佛、彌陀の十二光の名を讚歎して、稱禮念すれば定んで彼の國に生ずることを勸めたまふに依て、十九拜、日沒の時に當りて禮す。第二に謹みて『大經』に依て要文を採集して、以て禮讚の偈と爲し、二十四拜、初夜の時に當りて禮す。第三に謹みて龍樹菩薩の願往生禮讚の偈に依て、十六拜、中夜の時に當りて禮す。第四に謹みて天親菩薩の願往生禮讚の偈に依て、二十拜、後夜の時に當りて禮す。第五に謹みて彥琮法師の願往生禮讚の偈に依て、二十一拜、晨朝の時に當りて禮す。第六に沙門善導の願往生禮讚の偈、謹みて十六觀に依て作る、二十拜、午時に當りて禮す。

問て曰く。今人を勸めて往生せしめんと欲せば、未だ知らず、若爲が安心・起行・作業して定んで彼の國土に往生することを得るや。答へて曰く。必ず彼の國土に生れんと欲はば、『觀經』の説の如し、三心を具して必ず往生を得。何等をか三と爲る。一には至誠心、所謂身業に彼の佛を禮拜す、