則ち無量淸淨佛國に生ずるも、前みて至ることを得ること能はず。便ち道に二千里の七寶の城を見て、心中に獨り歡喜し、便ち其の中に止りて、復七寶の水池の蓮華の中に化生し、則ち自然に長大す。其の城も亦復前の城の法の如く、第二忉利天上の自然の物に比す。其の人亦復城の中に於て五百歳なり。五百歳竟りて乃ち出づることを得て、無量淸淨佛の所に生れ、心中に大に歡喜す。其の人經を聽聞すれども、心開解せず、意歡喜せず、智慧明かならず、經を知ること復少し。所居の舍宅地に在りて、舍宅をして意に隨ひて高大にして虚空の中に在らしむること能はず。復無量淸淨佛を去ること亦復是の第二輩の狐疑の者の如し。其の人久久に、亦當に智慧開解して經を知ること勇猛なるべし。心當に歡樂すべし、次で上の第一輩の如し。所以は何ん、皆前世宿命に道を求めし時、中悔狐疑し、暫くは信じ暫くは信ぜず、善を作せば後其の福徳を得ることを信ぜざるに坐せられて、皆自然に之を得るのみ。其の功徳に鉉・不鉉有るに隨ひて、各々自然に趣向す。説經行道、卓徳萬殊にして、超えて相及ばず。佛言はく。其れ求めて菩薩の道を作して無量淸淨佛國に生ぜんと欲する者は、其の然して後皆當に阿惟越致の菩薩を得べし。阿惟越致の菩薩は、皆當に三十二相・紫磨金色・八十種好有るべし。皆當に作佛して心の所願に隨ふべし。何方の佛國に於て作佛せんと欲ふこと在らんに、終に泥犁・禽獸・薜荔に更らず、其の精進に隨ひて道を求むるに、早晩の事事同等なるのみ。道を求めて休まずば、會ず當に之を得て其の所欲の願を失せざるべし。佛阿逸菩薩等の諸天・帝王・人民に告げたまはく。我皆若ぢらに語ぐ、諸の無量淸淨佛國に生ぜんと欲して、大精進にして禪ら經戒を持つこと能はざる者なりと雖も、大に要ず當に善を作すべし。一には殺生することを得ざれ、二には盜竊することを得ざれ、三には婬妷にして他人の婦女を犯愛することを得ざれ、四には調欺することを得ざれ、五には飮酒することを得ざれ、六には兩舌することを得ざれ、七には惡口することを得ざれ、八には妄言することを得ざれ、九には嫉妬することを得ざれ、十には貪欲することを得ざれ、心に慳惜する所有ることを得ざれ、瞋怒することを得ざれ、愚癡なることを得ざれ、心の嗜欲に隨ふことを得ざれ、心中に中悔することを得ざれ、狐疑することを得ざれ、當に孝順を作すべし、當に至誠忠信を作すべし、當に佛の經語の深きことを受くることを作すべし、當に善を作せば後世に其の福を得ることを信ずべし。是の如き其の法を奉持して、虧失せざる者は、心の所願に在りて無量淸淨佛國に往生することを得べし。