幡輩出入し、供養すること極無し、歡心喜樂して、樂みて共に經を觀道を行じ、和ら好み文を習ひ、才猛くして智慧あり。志は虚空の若く、精進求願して、心終に復中迴せず、意終に復轉せず、終に懈極まる時有ること無し。道を求むるに外は遲緩の若くなりと雖も、内は獨り駃く急疾にして、容容として虚空のごとく、中適にして其の中を得。中表相應し、自然に嚴整、撿斂端直に、身心淨潔にして、愛欲有りとも適貪する所有ること無く、衆の惡瑕穢有ること無し。其の志願皆安定殊好にして、増缺減無く、道を求むるに和正にして誤らず、邪を傾け道法を准望し、經に隨ひて約めて敢て違失蹉跌せざらしむること、繩墨の若し。八方・上下に遊びて、邊幅有ること無く、至り到らんと欲する所に自在にして、無窮無極咸く然なり。道を爲すこと恢廓、慕及すること曠蕩にして、道を念じて他の念無く、憂思有ること無し。自然無爲、虚無空立し、淡安無欲、徳を作し願を善くし、心を盡くして求索し、哀を含みて慈愍し、精進にして中表なり。禮義都て合し、通洞にして違すること無く、和順副稱し、表裏を苞羅し、過度解脱して、敢て泥洹に昇り入り、長へに道徳と合明し、自然に相保守す。快意之れ滋滋眞眞として、了かに潔白に、志願高くして上無く、淸淨定安にして靜に之を樂みて極有ること無く、善好なること比有ること無し。巍巍として燿き、照照として一旦に開達明徹なり。自然の中の自然の相、自然の根本有り。自然に五光を成じて九色に至り、五光より九色に至り、參迴轉た數して百千更變し、最勝の自然なり。自然より七寶を成じて、横に攬りて萬物を成じ、光精參はり明かにして倶に好を出す。甚だ姝きこと極有ること無し。其の國土甚だ姝好なること此の若し、何ぞ力めて善を爲し、道の自然なるを念じ、上下無く洞達して邊幅無きことを著さざる。志を虚空の中に捐て、何ぞ各々精進し努力して自ら求索せざる。超絶して去つることを得べし。無量淸淨の阿彌陀佛の國に往生すれば、横に五道を截りて、惡道自ら閉塞す。道に昇るに極無し、往き易くして人有ること無し。其の國土逆違せず、自然の牽く隨ところなり。何ぞ世事を棄てて行じて道徳を求めざる。極めて長生を得、壽樂極有ること無かるべし。何爲ぞ世事を用て饒かに共に常有ること無きを憂へん。世人薄俗にして共に不急の事を爭ふ。共に是の處劇惡極苦の中に於て、身を勤め生を治め用て相給活す。尊と無く卑と無く、富と無く貧と無く、老と無く少と無く、男と無く女と無く、皆當に共に錢財を憂ふ。有無同じく然なり。