善を作し道を爲し經を奉じ戒を持ち、各々自ら端しく守りて、上下相撿(いまし)め、尊と無く卑と無く、男と無く女と無く、齋戒淸淨にして歡喜せざるは莫し。義理に和順にして勸樂慈孝、自ら相約撿す。其れ佛の經語を得ること有らば、悉く持ちて之を思へ、當に作す所犯すが如くに之を爲すべからず。則ち自ら過を悔い、惡を去りて善に就き、邪を棄て正を爲し、朝に聞きて夕に改め、經戒を奉持し、劇しきこと貧人の寶を得るが如く、佛の所行の處、所在の郡國に、輒ち經戒を授與す。諸天・日・月・星辰・諸神・國王・傍臣・長吏・人民・諸龍・鬼神・泥犁・禽獸も、承けて之を奉行す。則ち君改化して善を爲し、齋戒精思して、淨く自ら湔ぎ洒ひ、心を端しくし行を正しくせん。位に居して嚴慓に敎勅し、衆を率ひて善を爲し、道禁を奉行して、言令をして止ましむ、臣は其の君に事へて忠直に令を受けて敢て違負せず、父子は言令孝順に承受し、兄弟・夫婦・宗親・朋友は、上下相令して、言に順ひ理に和す。尊卑・大小、轉た相敬事するに、禮を以てし義に如(かな)ひ、相違負せず、往を改め來を修し心を洒ぎ行を易(おさ)めずといふこと莫く、端正中表にして、自然に善を作し、願ふ所輒ち感を得、善く自然の道に降化す。求めて不死を欲すれば則ち長壽を得べし、求めて度世を欲すれば則ち泥洹の道を得べし。佛言はく。佛は威神尊重にして、惡を消し善に化して度脱せずといふこと莫し。今我天下に出でて、是の惡の中に在りて、苦の世に於て佛と作り、慈愍哀傷し、敎語開道す。諸天・帝王・傍臣・左右・長吏・人民、其の心に欲する所の願樂に隨ひて、皆道を得しむ。佛の諸の所行の處、更に過ぎ歴る所の郡國・縣邑・丘聚・市里、豐熟せざるは莫し。天下太平にして、日月の運照倍益明かに好く、風雨時節あり、人民安寧ならん。強きは弱きを凌がず、各々其の所を得、惡歳・疾疫無く、病痩する者無く、兵革起らず、國に盜賊無く、怨抂有ること無く、拘閉の者有ること無けん。君臣人民歡喜せざること莫く、忠慈至誠にして、各々自ら端しく守り、皆自然に國を守り、雍和孝順にして歡樂せざるは莫けん。有無相與にし。恩を布き徳を施して、心歡樂し、與に皆相敬愛して、財を推し義を讓りて先に讓り、前後に禮を以て敬事すること、父の如く子の如く、兄の如く弟の如くにして、仁賢・和順・禮節ならずといふこと莫けん。都て違諍無く、快善極無からん。佛言はく。我子曹を哀みて、之を度脱せんと欲ふこと、父母の子を念ふよりも劇し。今八方・上下の諸天・帝王・人民及び蜎飛・蠕動の類、佛の經戒を得て、