親承へて供養すること思議し難し。七周行道して華を散じ訖んぬ。悲喜交流して滅罪を願ず。此の善根に乘じて極樂に生じ、華開けて佛を見たてまつりて無爲を證せん。衆等心を持ちて本座に就き、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。釋迦如來、初發願より頓に塵勞を捨てて苦行を修し、念念に精勤して退くこと有ること無し。日月及び歳年を限らず、大劫・小劫・僧祇劫、大地等の微塵に過踰して、身財を惜しまずして妙法を求め、慈悲誓願もて衆生を度し、普く勸めて西安養國に歸せしめて、逍遙快樂して三明を得しめたまふ。衆等各各に身心を傾けて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。衆等心を齊しくして渇仰を生じ、慇懃に頂禮して樂みて經を聞く。聖人も重んずる所命に過ぎざるに、王位を貪らずして千頭を捨つ。七寸の長釘體に徧じて入れども、心を標して物の爲に憂を生ぜず。自ら身皮を取りて經偈を寫し、普く羣生をして法流に入れしめんと願ふ。千燈炎炎として身血を流せば、諸天泣涙して華を散じて周り、大士の身心の痛を感傷すれば、微微笑を含みて願じて瞋無し。仰ぎ願はくは同じく聞きて同じく惡を斷ぜん。逢ひ難く遇ひ難し。誓ひて當に專にすべし。念念に心を廻して淨土に生ぜん。畢命に彼の涅槃の門に入らん。各各心を傾けて異想無く、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。曠劫より已來生死に居し、三塗に常に沒して苦皆逕たり。始めて人身を服けて正法を聞く、由し渇者の淸泉を得たるが如し。