南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
當生の處を選ばむと欲はば 西方最も歸すべし 樹を間てて重閣を開き 道に滿てて鮮衣を布く 香飯心に隨ひて至り 寶殿身を逐ひて飛ぶ 有縁は皆入ることを得 正しく自往は人希なり  願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
十劫道先づ成りて 嚴界羣萌を引す 金砂水を徹して照らし 玉葉枝に滿ちて明かなり 鳥は本珠の中より出で 人は唯華の上に生ず 敢て請ふ西方の聖 早晩定んで相迎へたまへ  願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
十方諸佛の國は 盡く是法王の家なり 偏に有縁の地を求めて 冀くは早く邪無きを得ん 八功の如意の水 七寶自然の華 彼に心を能く係くれば 當に必ず往くべし賒なるに非ず  願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
淨國は衰變無し 一び立して古今然なり 光臺千寶を合し 音樂八風に宣ぶ 池には多し説法の鳥 空には滿てり散華の天 生ずることを得つれば退くことを畏れず 意に隨ひて既に蓮を開く  願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
坐華一像に非ず 聖衆亦量り難し 蓮開けて人獨り處し 波生じて法自づから揚る 災無きは處の靜なるに由る