八には如來の眼睫は、猶し牛王の若し。紺靑にして齊しく整ひ相雜亂せず。或は次に應に廣く觀ずべし。上下に各々生えて五百の毛有り。優曇華の鬚の如く、柔軟にして愛樂すべし。一一の毛の端より一の光を流出す。頗梨の色の如くにして、頭を遶ること一匝し、純ら微妙の諸の靑蓮華を生ず。一一の華臺に梵天王有りて、靑色の蓋を執る。『大集經』(卷六)に云く。「心を至して無上菩提を求むるが故に牛王の睫の相を得」と。『大經』(北本卷二八・南本卷二六)に云く。「怨憎を見て善心を生ずるが故に」と  九には佛眼は靑白にして上下倶に眴ぐ。白きは白寶に過ぎ、靑きは靑蓮華に勝れり。或は次に應に廣く觀ずべし。眼より光明を出せば、分れて四支と爲り、遍く十方无量の世界を照らしたまふ。靑光の中には靑色の化佛有まし、白光の中には白色の化佛有ます。此の靑・白の化佛、復諸の神通を現じたまふ。『大集經』(卷六)に云く。「慈心を修集し衆生を愛視して、紺色目相を得」と云云。少なき時の間に於ても、此の相を觀ずる者は、未來の生處に眼常に明淨にして、眼根は病無し。七劫生死の罪を除却す  十には鼻脩く高直にして其の孔現れず。鑄たる金挺の如く、鸚鵡の觜の如し。表裏淸淨にして諸の塵翳无し。二の光明を出して、遍く十方を照らし、變して種種无量の佛事を作す。此の隨好を觀ずる者は、千劫の罪を滅し、未來の生處に上妙の香を聞ぎ、常に戒香を以て身の瓔珞と爲す  十一には脣の色赤くして好きこと頻婆菓の如く、上下相稱へること、量の如くにして嚴麗なり。或は次に應に廣く觀ずべし。團圓の光明、佛の口より出づること、猶し百千の赤眞珠の貫くが如くして、鼻と白毫と髮との間に入出す。是の如く展轉して圓光の中に入る。此の脣の隨好の業等勘ふべし  十二には四十の齒齊しく淨く密にして根深く、白きこと珂雪に逾えたり。常に光明有り、其の光紅白にして人の目に映り耀く。『大經』(北本卷二八・南本卷二六意)に云く。「兩舌・惡口・恚心を遠離して、四十の齒鮮白齊密の相を得」と云云  十三には四の牙鮮白にして光潔鋒利なること月の初めて出でたるが如し。『大集經』(卷六)に云く。「身口意淨きが故に、四牙白の相を得」と云云。此の脣口齒の相を觀ずる者は、二千劫の罪を滅す  十四には世尊の舌相は、