龍樹尊に歸命したてまつる、我が心願を證明したまへ。
[五、助念方法]
大文第五に助念方法とは、一目の羅、鳥を得ること能はず、万術もて觀念を助けて往生の大事に成ず。今七事を以て略して方法を示さん。一には方處供具、二には修行相貌、三には對治懈怠、四には止惡修善、五には懺悔衆罪、六には對治魔事、七には總結行要なり。
[五、助念方法 方處供具]
第一に方處・供具とは、内外倶に淨くして、一の閑處を卜し、力に隨ひて華香・供具を辨ぜよ。若し華香等の事に闕少くること有らば、但專ら佛の功德威神を念ぜよ。若し親しく佛像に對せんには、須く燈明を辨ずべし。若し遙に西方を觀ぜんには、或は闇室を須ひよ。感禪師は闇室を許す 若し華香を供せん時には、須く『觀佛三昧經』の供養の文の意に依るべし。其の得る所の福は、无量无邊にして、煩惱自ら減少し、六度自ら圓滿せん。其の文、通途の所用に異ならず。故に更に抄せず 若し念珠を用ひん時には、淨土を求めんと欲はば、木槵子を用ひ、功德多からんことを欲はば、菩提子乃至或は水精・蓮子等を用ひよ。『念珠功德經』に見えたり
[五、助念方法 修行相貌]
第二に修行の相皃とは、『攝論』等に依て四修の相を用ふ。一には長時修。『要決』に云く。「初發心より乃至菩提まで、恒に淨因を作して、終に退轉无し」と。善導禪師(禮讃)云く。「畢命して期と爲して、誓ひて中止せざれ」と。二には慇重修なり。謂く極樂の佛・法・僧寶に於て、心常に憶念して、專ら尊重を生ず。『要決』に云く。「行住坐臥に、西方に背かず、涕唾便利は、西方に向けざれ」と。導禪師(禮讃)云く。「面を西方に向くる者は最も勝れたり。樹の先より傾けるが倒るるに必ず曲れるに隨ふが如し。必ず事の礙有りて西方に向くに及ばざれば、但西に向く想を作すも亦得たり」と。三には无間修なり。『要決』に云く。「謂く常に佛を念じ往生の心を作して、