迦羅分にして一にも及ばず。何を以ての故に、佛如來は諸の福田の中に最も无上と爲るを以てなり。是の故に佛に施したてまつるは大功德を成すなり」。略抄。三千世界に滿てらん辟支佛を以て、校量すること亦爾なり 『普曜經』(卷八)の偈に云く。「一切衆生の縁覺と成らんに、若し億數劫に、飮食・衣服・床臥具・檮香・雜香及び名華を供養すること有らんも、若し一心に十指を叉へ專心に自ら一の如來に歸して口に自ら南无佛と發言すること有らば、是の功德の福を最上と爲す」と。『般舟經』(卷上)の念佛三昧を説く偈に云く。「假使ひ一切をして皆佛と爲し、聖智淸淨にして慧第一たらしめん。皆億劫に於て其の數を過ぐるまで、一偈を講説する功德において、泥洹に至るまで福を誦詠し、无數億劫悉く嘆誦すとも、其の功德を究め盡すこと能はず。是の三昧の一偈の事に於てせるを、一切の佛國の所有地、四方・四隅及び上下の、中に滿てらん珍寶を以て布施し、用て佛天中天に供養せんも、若し是の三昧を聞くこと有らん者は、其の福祐を得ること彼に過ぎん。安諦に諷誦し説講せん者、譬を引くとも功德は喩ふべからず」と。一佛刹を破して塵と爲し、一一の塵を取りて亦碎くこと、一佛刹の塵數の如し。此の一塵を以て一佛刹と爲し、若干の佛刹の中に滿てらん珍寶を諸佛に供養せん。之を以て比と爲す。已上生善 『度諸佛境界經』に説かく。「若し諸の衆生如來を縁じて諸の行を生ずる者は、无數劫の地獄・畜生・餓鬼・閻羅王の生を斷つ。若し衆生有りて、一念も作意して如來を縁ずる者は、所得の功德限極有ること无し、稱量すべからず。百千万億那由他の、諸の大菩薩の、悉く不可思議解脱定を得んも、計挍して其の邊際を知ること能はず」と。『觀佛經』(卷三)に説かく。「佛阿難に告げたまはく。我涅槃して後に、諸天・世人、若し我が名を稱し、及び南无諸佛と稱せば、獲る所の福德无量无邊ならん。況や復念を繋けて諸佛を念ぜむ者、而も諸の障碍を滅除せざらんや」と。已上滅罪生善。其の餘は上の正修念佛門の如し
[七、念佛利益 冥得護持]
第二に冥得護持とは、『護身咒經』(意)に云く。「三十六部の神王に、万億恒沙の鬼神有りて眷屬と爲し、三歸を受けたる者を護る」と。