「彼の國に生れんと欲はん者は、當に三福を修すべし。一には父母に孝養し、師長に奉事し、慈心ありて殺せず、十善業を修す。二には三歸を受持し、衆戒を具足し、威儀を犯さず。三には菩提心を發し、深く因果を信じ、大乘を讀誦し、行者を勸進す。此の如き三事を名けて淨業と爲す。佛韋提希に告げたまはく。汝今知るや不や。此の三種の業は、過去・未來・現在の三世の諸佛の淨業の正因なり」と。又(觀經略抄)云く。「上品上生とは、若し衆生有りて、彼の國に生れんと願ぜん者は、三種の心を發して、即便ち往生す。何等をか三と爲す。一には至誠心、二には深心、三には廻向發願心なり。三心を具する者は、必ず彼の國に生ず。復三種の衆生有り、當に往生を得べし。何等をか三と爲す。一には慈心にして殺さず諸の戒行を具す。二には大乘方等經典を讀誦す、三には六念を修行し、廻向發願して彼の國に生れんと願ず。此の功德を具すること、一日乃至七日にして、即ち往生を得。 上品中生とは、必ずしも方等經典を受持せざれども、善く義趣を解り、第一義に於て心驚動せず、深く因果を信じ大乘を謗ぜず、此の功德を以て、廻向して極樂國に生れんと願求す。 上品下生とは、亦因果を信じ大乘を謗せず、但无上道心を發す。此の功德を以て、廻向して極樂に生れんと願求す。 中品上生とは、若し衆生有りて、五戒を受持し八戒齋を持ち、諸の戒を修行して五逆を造らず、諸の過患無からん。此の善根を以て、廻向して願求す。 中品中生とは、若し衆生有りて、若しは一日一夜八戒齋を受け、若しは一日一夜沙彌戒を持ち、一日一夜具足戒を持ち、威儀缺くること無し。此の功德を以て廻向して願求す。 中品下生とは、若し善男子・善女人有りて、父母に孝養し、世の仁慈を行ず。 下品上生とは、或は衆生有りて、衆の惡業を作らん、方等經典を誹謗せずと雖も、此の如きの愚人、