同じき『往生禮讃』に『阿彌陀經』を引きて云く。「東方如恒河沙等の諸佛、南西北方及び上下、一一の方に恒河沙等の諸佛の如き、各々本國於して、其の舌相を出して、徧く三千大千世界に覆ひて、誠實の言を説きたまはく。汝等衆生、皆應に是の一切諸佛の護念したまふ所の經を信ずべしと。云何が護念と名くると。若し衆生有りて、阿彌陀佛を稱念せんこと、若しは七日一日下至十聲乃至一聲・一念等に及ぶまで、必ず往生を得と。此の事を證誠せるが故に、護念經と名く」と。
又（禮讃）云く。「六方の如來舌を舒べて證したまふ。專ら名號を稱して西方に至る。彼に到りて華開けて、玅法を聞く。十地の願行自然に彰る」と。
同じき『觀經疏』（散善義）に『阿彌陀經』を引きて云く。「又十方佛等、衆生の釋迦一佛の所説を信ぜざらんを恐畏して、即ち共に同心・同時に、各々舌相を出して、徧く三千世界に覆ひて、誠實の言を説きたまはく。汝等衆生、皆應に是の釋迦の所説・所讃・所證を信ずべし。一切の凡夫、罪福の多少、時節の久近を問はず、但能く上百年を盡くし、下一日・七日に至るまで、一心に彌陀の名號を專念して、定んで往生を得ること、必ず疑無きなり」と。
同じき『法事讃』（卷下）に云く。「心心に念佛して疑を生ずることなかれ。六方の如來不虚を證したまふ。三業に心を專にして雜亂無ければ、百寶の蓮華時に應じて見ゆ」と。
法照禪師の『淨土五會法事讃』（卷本）に云く。「萬行の中に急要と爲す、迅速なること淨土門に過ぎたるは無し。